第3祝福独立研究所 です
Merry Christmass !
令和3年も終わりに近づきつつありますが、武漢発熱ウイルスに感染しない健やかな新たな年になりますように。
今年も本誌購読有り難うございました。 May you have a happy new year !
情報マガジンを添付します。
Contents
- 1 <陸と海の空論>国家と人口と国力
- 2 <環境自然特記>南米パンタナール湿地帯の30%が失われ1700万の動物が死す
- 3 <セントビンセントグレナデイーン>国家債務はその経済GDPとほぼ同じ
- 4 <マーシャル諸島>人口急減、国外移住者が急増 国勢調査
- 5 <スリランカ>イランへの原油代支払いに紅茶で充当
- 6 <ソロモン諸島>中国重視の中央政府と台湾への信義を通すマライタ州
- 7 <トンガ>新首相の直面する課題
- 8 <ニュージーランド>最終的にすべてのタバコの販売を禁止する予定
- 9 <環境特記>劇的な変化に向かう南極の氷河
- 10 <日本>皇位継承に関する有識者会議 (編集者記)
- 11 編集後記〜海の万博を目指して(2025大阪万博)
<陸と海の空論>国家と人口と国力
12月11日の NHK スペシャル(夜9時)によれば、月収 1 万 8000 円未満の中国国民は、4億人程いると言う。
しかも、1979年から36年間一人子政策を進めてきたから、それのもたらす将来の社会的圧力とひずみは、どれだけのものだろう。
一方、太平洋の島嶼国には、人口2000人程のニウエという国があり、2015 年に日本は国家として承認した。
又、極低海抜の環礁国家のツバルは、1 万2000人程の人口しかないが、 近年、海面上昇による沈没可能性の島国として温暖化の検証カナリア国として名を知られている。
ナウル という島国も、1 万3000人程の極小国だ。国土がリン鉱石の資源でできたようなものだから、肥料その他 に利用される為に輸出され、1980 年代は、贅沢な国家として名をはせたこともある島国だ。
国際的に独立国家であるための基本3要素は、国土、国民、主権が存在することだ。確かに、数千、数万人の国でも、この3要素を備えていれば、独立国家の装丁は、可能だ。
しかし、国力となると、話は、全く別 だ。
先進国の1例として日本を考えてみれば、様々な産業とその担い手があり、科学技術を担う多くに人材があり、教育機関や教育者がおり、スポーツや芸術に生き、社会の運営に欠かせない政治行政関係者がおり、国を守る陸海空の自衛隊もある。
今後、人口減少はあるものの、これだけの国力を維持発展して きた1億2000万人の人口がある。
ところが、台湾は、人口2300万人程の堂々たる先進国家としての内容 を備えているにも関わらず、歴史的経緯から、国連から国家として承認されていない「国家」もある。
<環境自然特記>南米パンタナール湿地帯の30%が失われ1700万の動物が死す
[AFP通信より]
[CENAP-ICENBIOより]
昨年 1 月~11月までに、南米のブラジル、パラグアイ、ボリビアにまたがる世界最大のパンタナール湿原が火災により、その30%が失われ、調査に入った。
ブラジルの科学者達は、2700万の動物が死したと推定し、調査を終了した。
世界野生保護基金(WWF)によれば、昨年2万2000件の火事があったという。
WWF ブラジルのフェレイラ博士は、 世界最大の生物多様性地域の1つであるパンタナール湿原での災害を人類への「メッセージ」と表現し、「それは自 然が苦しんでいることを私たちに示していますが、私たちもまた苦しんでいます-きれいな水の不足と食べ物の不足か ら」と彼女は言いました。
「将来の世代がこの世界に住むことを望むなら、私たちは自然との関わり方を変える必要があります。」
と話した。
[パンタナール湿原消失の一部:CENAP-ICENBIOより]
From BBC scientific report
<セントビンセントグレナデイーン>国家債務はその経済GDPとほぼ同じ
2021年12月14 日- セントビンセント・グレナディーン諸島の国家債務(約875憶円相当、その内の対外債務は655憶円)は、2021 年 9 月 末現在、国内総生産(GDP)とほぼ同じ大きさだった。
これは、この国で 1 年間に生産された商品とサービスの価値 GDP だ。
野党党首はこれに対し、
「歳入の42%が債務支払いに充てられていると言いい、これは、最早受け入れ難 い状況にあり、これが私に伝えているのは、政府がもう借りる余地がほとんどないということであり、では、資金はどこから来るのか? 計画はどこにあるのか?
地元の企業、農民が再び経済を動かし、雇用を創出し、政府の税収を得るのを支援するための生産的な投資の計画が必要。
この国の人々はこれ以上税金を払う余裕がない。
彼らは過去 1 年半、2 年にわたって長い間苦しんでいる。彼らは新しい税金を払う余裕がない。
最大の経済 国である米国を含む世界中の政府が、コロナウイルスのパンデミックを経済をリセットする機会として利用している」
と述べた。
From BBC scientific report
<マーシャル諸島>人口急減、国外移住者が急増 国勢調査
マーシャル諸島で今年行われた国勢調査では、マーシャル諸島の人口は、2011 年に 5 万3,158 人だったものが、3 万 9,262 人となり、約26%も国の人口が減少している。
国の統計局長によれば、米国との自由連合盟約を結んでいる為に、米国へのビザ無し渡航が可能で、移住増加した為だと言う。
首都マジュロの人口減少も大きく、全ての離島 環礁でも減少している。
このことは、出生数や学校の入学数も減っているとを意味する。
こうした背景にあるのは、日 本の元大使館員は、「マーシャル諸島には他の多くの太平洋島嶼国と同様に、現代社会と伝統社会が併存しています。
マーシャル諸島の伝統社会の場合には、島や島内の地域ごとに酋長、土地管理人、平民=労働者の階級があ りますが、いくつかの酋長家系を除けば、生徒の多く(感覚的には 7 割以上)が、実の親に育てられていない実態がありました。
10 代で子供を産むことも多く、生まれた子供は、養う余裕のある親や親類に預けたり、養子に出されることが 珍しくありませんでした。
パラオなど他の島嶼国に比べれば、「家族の絆」が希薄と言えるかもしれません。
マーシャル 諸島における雇用機会というのは、政府系が多く、他には限られた民間部門、教員、クワジェリン基地などであり、離 島では沿岸漁業やコプラ生産が現金収入源となっています。
他に権利者には、米国からの核実験に関わる補償、クワジェリン基地借地料などもあります。
しかし、増え続ける青少年に対し、雇用機会が少ないことが長年にわたる社会 課題であり、限られた世帯収入(世帯は親類も含む場合も多い)で養えなくなると、米国の親類に送られることが少な くありません。
マクロ経済上は安定していますが、実際のお金の流れには変化があり、一般の家庭に流れるお金に変 化があった可能性があります。
From Marianas Variety / PACNews
MARIANAS VARIETY/PACNEWS
<スリランカ>イランへの原油代支払いに紅茶で充当
[BBC newsより]
スリランカは、人口約2200万人の内、5%に当たる110万人が紅茶畑で働き、工場で加工に従事している。
コロナ・パンデミックの影響で、観光収入が 無くなり、イランから原油を輸入してきた過去 4 年間278憶円の支払いに、毎 月5億円相当の紅茶自体をその返済に充てる計画である。
スリランカは、150 年に亘る紅茶産業の中で、紅茶自体を外国への債務支払いに充てることは 初めてのことである。スリランカは、昨年34万トンの紅茶を輸出し、136憶円の 利益があった。
コロナパンデミックは、それぞれの国に様々な形でマイナスの影響を与えており、先進国においても、 中進途上国は、尚更対外債務が膨らんでいる。
スリランカの様に、物々交換の形で経済が行われるのは、ユニーク なその一面を表している。
From BBC News
<ソロモン諸島>中国重視の中央政府と台湾への信義を通すマライタ州
[PINAニュースより]
太平洋の島国ソロモン諸島は、ソガバレ首相の中央政府が 中国との外交経済関係を強化する中、最も多くの人口を 有するマライタ州とその知事は、2019 年まで外交関係にあった台湾を重視している為に、政府から様々な圧力をか けられ、先月、マライタ州からの住民は、首都ホニアラで暴 動を起こし、反政府、ソガバレ首相の退任を掲げ、商店街 を襲い、火事を起こした。(ソロモン諸島は、2008 年頃栄える機会が訪れていたが、それを逸してしまった)。
マライタ島では、ダニエル・スイダニ首相が台湾に対する中国の認識に不満を表明し続けており、州の主権を 危険にさらす可能性のある中国の投資や開発を州内で行うことを拒否しています。
スイダニ州知事とマライタの人々は、自分たちの文化、主権、土地の権利に対して直面している脅威をよく知っているが、この行動に応 えて、中国共産党支持の政府高官は知事に対して不信任決議を下そうとした。
不信任決議にはスイダニに対す る 11 の申し立てがあったが、中国の外交官がこの動きの背後にあることを明確に示している。
先月、スイダニ を追放するという政治的圧力に応えて、投票当日に数千人が議会に行進し、最終的には動議が取り下げられ た。
マライタ島とスイダニ氏の人々にとっては勝利ですが、彼らの反抗の代償はまだ見られていない。
From PINA News
<トンガ>新首相の直面する課題
[RNZより]
トンガの新首相に選ばれた S ソバレニ氏は、学校の中退者が多いこと、 違法薬物問題、コロナ感染と非感染性疾病が多いことなどに取り組むこと になる。
From RNZ
<ニュージーランド>最終的にすべてのタバコの販売を禁止する予定
2021年12月14日 - ニュージーランドは木曜日に、国内での紙巻たばこの販売をすべて禁止する計画を発表しました。
これは、若者が 喫煙するのを防ぐための世界でも珍しい数十年にわたる取り組みだ。
From ...
<環境特記>劇的な変化に向かう南極の氷河
[BBC Scienceより]
米英の科学者たちは、南極で最大の氷河の 1 つで、今後 5 年から 10 年以内に劇的な変化が起こる可能性があることを警告している。
これまで比較的安定していたスウェイト氷河の正面の浮き部分が「車のフロントガラスのように 粉々になる」可能性があるという。
スウェイトで氷の溶融速度の調査の為に集中的に研究調査中である。
すでに、 毎年 500 億トンの氷を海に投棄しています。
スウェイトが現在、非常に迅速な方法で温暖化の世界に対応していて、 「おそらく 10 年以内に、氷河の前面に劇的な変化が起こる」と予想され、スウェイトは、英国又は米国のフロリダ州程 の面積に相当し、流出速度は過去 30 年間で 2 倍になっている。
これは、暖かい海の水がスウェイトの浮かぶ前線、または知 られているように棚氷の下に入り、溶けた結果だ。
温水はこの氷 を薄くして弱め、氷河の流れを速くし、氷河の本体が浮力にな るゾーンを押し戻す。
氷河全体の文脈で考えると、影響を受ける領域は非常に小さいが、それは新しい体制への移行であり、 これがさらなる氷の喪失にとって何を意味するかが真の意味である。
現在、幅約 40km の東棚は年間約 600m で前進している。今後の状況の変化により、おそらく次の氷の速度 が年間約2km に跳ね上がると予想される。
これは、幅 80km の西部セクターで記録されている現在の速度と同じだ。
今週、ニューオーリンズで開催されたアメリカ地球物理学連合の秋の会議で、スウェイト氷河に関する最新の科学が 発表されている。
From BBC science
<日本>皇位継承に関する有識者会議 (編集者記)
国には、独自の伝統や文化そして国の柱となる思想なり憲法がある。
日本は、2000年以上に亘る天皇の存 在と皇室制度がその柱となる。
権力ではなく、国民が歴史的に敬意を払ってきた最高権威として天皇の地位がある。
今月、皇位継承に関する有識者会議が結論としてまとめたものは、戦後 GHQ が国際法違反のように、 日本の皇室制度を壊し、11宮家を廃止し、未来、共和国の様な国になることを目論んだ事に対し、何とか国民 の合意が得られるように、「旧宮家」の復帰というよりも、現皇族(高円宮家、三笠宮家、常陸宮家)のいずれか に、「旧宮家」から男子を養子として迎える案が政府に提出された。
言うまでもなく、日本の天皇制は、世界の どの国にもない長い歴史と伝統を誇るあり方である。
自民党国会議員の「日本の尊厳と国益を考える会」70 名程が掲げる最も重要な柱が、父系天皇制を守り安定的な皇位継承が行われることを掲げている。
「旧宮家」 の1つである武田恒泰氏(作家)が、麻生元首相の時に、「旧宮家」の中から皇族への養子縁組を提唱してから、 やっとその方向性が見えてきた。
皇位継承に関する有識者会議のとりまとめと内閣への最終報告もそこまで が限界だった。
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編集後記〜海の万博を目指して(2025大阪万博)
編集者は、5年程前に、「海のオリンピック」を提案し、ある海洋研究情報誌に記事を投稿したことがありますが、内容が未熟であった為採用され るには至らなかったですが、今も思いは変わらず持ち続けています。
来年 の北京での冬のオリンピックに見られる様に、陸上でのオリンピックは、もうその在り方を変える時にきていると思っており、世界は、海洋を場とす るあり方を様々な形で開発してゆくべきではないか。
そこで、2025 年に 大阪で開催予定の大阪万博に、「海の万博」を掲げて登録しているのが、笹川平和財団である。そこに、関西経 済連合会の理事や和歌山県の二坂知事や三菱総合研究所の小宮山理事長なども賛意を表している。
「海の万博」と言っても、その考えられる内容は、幅広く、海の養殖を含む漁業から海洋汚染の取り組み、海洋生物の保 護、海運、シーフード、海洋スポーツなど様々なテーマがあります。
陸地と違い、海そのものは、世界を自由に 行き来し、又表層と深海を流動する。
人間の手により区切ることもない。
何より地球表層の 7 割を占める場は、 産業的にも、スポーツレジャーを含め今の私達が考える以上の豊富な潜在力をもっているに違いない。
島国を 始め、海に面する国々は、もっと海への「眼」を向けて良さそうだ。
以上